FX基礎知識

基本的なFXの運用スタイルとは?メリット・デメリットや運用のコツなどについても徹底解説!

この記事が伝えること


・FXの主な運用スタイルを解説
・各運用スタイルのメリット・デメリットを解説
・豪ドル投資におすすめの運用スタイルを解説

※詳しくは目次にて

FX取引は、資産運用の選択肢の一つとして挙げられます。しかし、株取引と比較した場合、FXは理解しにくい点や複雑に感じる部分が多いのも事実です。

「どのような方法で取引を行うのか」が分からず、FX取引への参加を躊躇する人も多いでしょう。

この記事では、FX取引の基本的なスタイルと自分に適した投資スタイルを選ぶための基準を解説していきます。

【基礎知識】FXにおける4つの運用スタイル

引用元:https://www.moneypartners.co.jp/beginner/stepupnavi/level3/

FX取引には、主に4つのトレードスタイルがあります。

これらは「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」「スワップ(ポジション)トレード」と呼ばれ、上図の通りそれぞれに特徴がありますが、纏めると下記になります。

運用スタイル 特徴について

スキャルピングトレード
→短期取引したい、取引時間が多く取れる
・デイトレード      

→短期取引したい、取引時間があまり取れない
・スイングトレード     

→長期取引したい、取引時間があまり取れない
・スワップ(ポジション)トレード

→長期取引したい、取引時間が多く取れる

それでは、各運用スタイルについて解説していきます。

運用スタイル①:スキャルピング

スキャルピングは、FX運用スタイルの中で最も短期間に取引を重ねるスタイルです。新規注文と決済注文を短時間で行うため、一回の取引で得られる利益は小さいものになります。

しかし、これらの小さな利益を積み重ねることで、最終的に大きな利益を得る戦略です。1日に数十回の取引を行うこともあり、常に最適な売買のタイミングを見極める必要があります。

そのため、スキャルピングを行うトレーダーには、迅速な決断力が必要とされます。取引の回数が増える傾向にあるため、精神的な負担も大きく、初心者には適していないトレードスタイルと言えます。

運用スタイル②:デイトレード

デイトレードは、1日の間に取引を完了させ、次の営業日にポジションを持ち越さない戦略です。通常はトレンドに従ったトレードを行うか、最近の安値や高値を基準に指値での取引を行います。

スキャルピングに比べて取引回数は少ないものの、取引の値幅はより大きくなります。

デイトレードは、トレードのタイミングを日常生活に組み込むことができるため、日中忙しい人々に好まれます。また、リスク管理を適切に行うことで、過度な取引を避け、安定した取引が可能になります。

運用スタイル③:スイングトレード

スイングトレードは、数日から数週間にわたって売買を行う戦略です。定期的にチャートをチェックし、市場の動向を観察しながら取引のタイミングを見極めます。

これにより、時間的な余裕と取引の柔軟性を確保できます。また大きな市場のトレンドを捉える戦略であり、小さな価格変動は重視しません。

しかし、政策金利や主要経済指標の発表時には、トレンドが急変する可能性があるため注意が必要です。基本的には、大きな利益を目指す取引であり、日々の小さな変動に一喜一憂することなく、利幅を狙います。

スイングトレードでは、ポジションを翌営業日に持ち越すため、スワップポイントがプラスの場合は問題ありませんが、マイナスの場合は毎営業日ごとに支払いが必要です。

取引回数が少ないため、デイトレードよりも大きな価格変動を狙うことになります。値動きがあっても様子を見る戦略で、余裕のある資金で取引し、一度の取引で比較的大きな利益を目指す投資家に適しています。

運用スタイル④:スワップ(ポジション)トレード

ポジショントレードは、数ヶ月から年単位でポジションを保持する取引戦略です。

スイングトレードと同じく、政策金利や主要経済指標の発表時にはトレンドが変わる可能性がありますが、大きなトレンド転換点(国の金利方針の変更、米国大統領選挙など)がない限り、ポジションを維持します。

スイングトレードよりも長期間ポジションを保持するため、日々の価格変動に影響されにくいですが、長期保有により、一回の取引で大きな利益または損失が生じる可能性があることを理解する必要があります。

ボラティリティが低い通貨ペアの取引が主流で、トレードでは利益だけでなくスワップポイントも考慮されます。スワップポイントを目的とした人気の通貨ペアには、高金利通貨が下記のようなものが挙げられます。

■高金利通貨一覧
トルコリラ:50.00%
メキシコペソ:10.25%
南アフリカランド:7.75%
豪ドル:4.35%

【比較表】FXにおける運用スタイル

4つの基礎的な運用スタイルについて、下記表にまとめてみましたので参考にしてください。

取引スタイル スキャルピング デイトレード スイングトレード ポジショントレード
取引間隔 1分~15分 5分~日 1時間~週 1日~
メリット

・一回の取引リスクが小さい

・資金効率が良い

・一回の取引リスクが小さい

・資金効率が良い

 

・利益幅が大きい

・相場に張り付く必要がない

・取引回数が少なく低コスト

・利益幅が大きい

・相場に張り付く必要がない

・取引回数が少なく低コスト

デメリット

・取引回数多く、高コスト

・一回の利益幅は小さい

・相場に張り付く必要がある

・一回の利益幅は小さい

・相場に張り付く必要がある

・一回の取引リスクが大きい

・資金効率が悪い

・一回の取引リスクが大きい

・資金効率が悪い

・多額の資金を要する

向いている人

・専業として考えている人

・リスク分散させたい人

・判断力がある人

・専業として考えている人

・取引ルールを明確に出来る人

・副業として考えている人

・1回の取引で大きく稼ぎたい人

・世界情勢に敏感な人

・副業として考えている人

・スワップ益を取りたい人

・落ち着いて取引出来る人

豪ドル投資におすすめの運用方法とは?

豪ドルはどのような運用スタイルで運用すべきなのでしょうか。上記で紹介した運用スタイルのなかでおすすめの運用方法を解説していきます。

豪ドル運用方法①:順張り×スイングトレード

まず1つ目のおすすめ豪ドル運用方法は「順張り×スイングトレード」です。

順張りとはトレンドに従った取引のことです。価格が上昇している時にはその流れに乗って買い注文を出し、価格が下降している時にはその流れに乗って売り注文を出す手法になります。

豪ドルは、資源国であるオーストラリアの経済状況を反映し、トレンドが発生しやすい特性を持っています。

金利の上昇や資源(鉄鉱石、石炭、天然ガスなど)の需給バランスの変化が取引のきっかけとなりやすく、中国経済の動きや市場のリスク選好度にも影響されます。

そのため豪ドルは、価格の上昇・下降は長時間続きやすく「上昇時は買い、下降時は売り」の順張りにて取引を行うのが無難と言えます。

また豪ドルは比較的安定したレートで推移する通貨ですが、先に述べたようにトレンドが形成されやすい傾向があります。長期保有の場合、急激な価格変動に見舞われることがあります。

一方で、数日から数週間の短期トレードでは、市場が安定している期間に取引を終えることが出来るので「順張り」かつ「スイングトレード」が豪ドル取引をするうえでおすすめの運用方法になります。

豪ドル運用方法②:ポジショントレード

2つ目のおすすめ豪ドル運用方法は「ポジショントレード」です。

ポジショントレードは、長期保有による取引スタイルとなりますがこれは高金利通貨による安定したスワップ収入が見込めるのがメリットになります。

「豪ドル投資の魅力②:高金利によるスワップ収入」の項目にて説明しました通り、豪ドル/円(1万通貨)のスワップポイントは2024年現在、約120円/日です。

1豪ドル約100円とすれば、1万通貨は約100万円なのですなわち、100万円分の豪ドルを年間保有すれば、43,800円(120円×365日)のスワップ収入が得られる計算になります。

そして得られたスワップ収入を元手に、豪ドルへ再投資する複利運用を活用すれば、5年後に得られるスワップ収入は51,600円に、10年後に得られるスワップ収入は約61,400円になります。
※為替レートが変動無かった場合

また豪ドルは比較的安定した通貨とも言えますので
加えて5年後、10年後に豪ドルの価値が上がった場合は為替差益も見込めます。

ただポジショントレードにはリスクもあり、例えば豪ドルの価値が下がった場合は為替差損を受けスワップ収入と相殺される恐れがあります。

また、経済情勢が変わり政策金利が下がった場合はスワップ収入自体が減る恐れもあります。

ポジショントレードでは、短期的な価格変動に惑わされることなく、スワップ利益を確実に享受するために、辛抱強くポジションを維持することが重要です。

まとめ

FXには多様な手法が存在します。手法を確立することで、安定した利益を目指すことが可能なため、各手法の特徴をしっかりと理解することが重要です。

全ての取引手法には長所と短所があり、万能な手法は存在しません。

特に初心者の場合、多くの手法に手を出すと成功しづらいことが多いですので、実際の取引で一つの手法に絞り、それに慣れたら他の手法にも挑戦することを推奨します。

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